採用マッチング率を上げる方法とは?

マッチング精度の高い人材を採用できていますか?

採用では、採用目標人数に意識が向きがちですが、最終的に採用する人材と自社のマッチングの精度が、実質的な採用成果を示すものとなります。

マッチングの高さを望んでいるのは企業だけではありません。マッチ度の重要性は求職者にも浸透しています。お互いのマッチ度を的確に測れる協力的な情報提供をしている企業ほど、選ばれる確率は高いのかもしれません。今回は、採用マッチング率を上げる方法を解説します。

新卒採用のマッチング率を高める方法

まず、新卒採用のマッチング率を高める方法をご紹介します。「厳選採用」「学生の理解度アップ」「検討支援の姿勢」がポイントです。

厳選採用を行う

日本では、新卒人材の一括採用が慣習的に行われてきました。一括採用は、どちらかというと数の確保に重点が置かれがちです。大量の人材を同時期に確保することにはメリットがあります。集団研修が可能ですし、「同期」の存在が、人材の切磋琢磨の環境を生み、組織への帰属意識を高め、定着を促すことが期待できます。

しかし、少子化の影響や売り手市場が続き、転職ハードルが下がっていることもあり、かつての期待は叶いにくくなっています。現在の採用環境は、数より人材の質を重視しないと、新卒人材を獲得することも、自社で育成していくことも難しくなっているようです。

有望な人材を確実に獲得し、一人ひとりに対する十分なフォローやバックアップの体制が求められています。一括採用のように十把ひとからげの採用プロセスと入社後の育成では、一人ひとりへの対応が行き届かず、人材離れを助長してしまうのです。

人材確保が難しくなっている昨今、数を重視すれば、質の妥協が生まれます。入社後にどれだけ教育やフォローの投資をしても、離職の可能性が存在する時代です。合わない人材が組織にマイナス効果をもたらす可能性があることも否めません。

妥協なしの採用で行き届く育成をしたほうが、損失や離職のリスクは低いはずです。ときには「適切な人材がいないために採用なし」ということもあり得る厳選採用が、確実にマッチング率を高めるでしょう。

業界や職種の理解度を高めるための施策

新卒人材は、バックグラウンドに業務経験がほとんどありません。就活中に業界や職種について研究を重ねているとは言え、やはり実体験からの理解度には及ばないのです。つまり、期待も含めて、勝手にイメージを作り上げている可能性があります。

経験がないため無理のないことであり、学生を責めるのはナンセンスでしょう。ただ、放置すれば、ミスマッチの可能性は高くなります。少なくとも自社に関する業界や、自社にある職種については、現実的な業務を理解できるような情報配信をしなければならないのです。

たとえば、若手社員の一日の流れや現場からのメッセージなども理解を促す有効な材料になります。Web上でなくても、オフラインで既存社員と交流できる機会で伝えていくという手段も有効です。

検討支援で選ばれる企業へ

学生にとっては、人生ではじめての仕事探しです。実際のところ、学生自身も将来を左右する「就職」というイベントに向けて試行錯誤をしています。いろいろなルートから、就活のノウハウや企業情報を得ながら活動を進めます。

現在は、候補となる企業を見つけること自体は、それほど難しいことではないはずです。しかし、検討・選定の段階になると、はじめての選定や判断に戸惑う学生は少なくありません。このプロセスを「真剣に学生の将来を考えて」支援していくことが重要になってきます。決断はあくまで学生がするものですが、企業にもその決断に対する責任があるのではないでしょうか。

人材不足が深刻化する中、学生が興味を持ってくれることは企業にとっては喜ばしいことでしょう。
しかし、自社の採用基準に照らしたときに合わないのであれば、はっきりと、かつスピーディーにその自社の結論を伝えていくことが結果的に、学生の就活プロセスを効率的にするのです。もちろん、自社に来てほしい!というときは、その意思表示を積極的に行いましょう。

どうしよう…、どちらの会社がいいのだろう…という場面に、多くの学生が直面します。学生が悩む時間を減少させ、有効な行動を喚起できるような対応が、学生の心を惹きつける手段になり得るのかもしれません。

中途採用のマッチング率を高める方法

では、中途採用のマッチング率を高めるにはどのような方法が有効でしょうか。「面接」「採用サイト」「オウンドメディアやSNSの活用」についてお伝えします。

面接フェーズの改善

中途採用は新卒採用と比較すると、良くも悪くも応募から内定までの期間が短い傾向があります。
じっくり入社意欲を喚起する時間がありません。最大のチャンスとなるのが、面接での接点。面接で、自社の魅力をしっかりと伝えて「この会社で働きたい!」という気持ちを引き出すことが大切になってきます。

そうなると、面接官の面接スキルが重要です。伝えるべき点の認識を一致させるとともに、伝える力を強化するための研修や成功事例の共有なども必要です。ここで、もしかするとマイナスポイントになるかもしれないという点も「事実であれば伝えておくべき」です。その上で入社を決断してもらうことこそ、本物の採用成果につながります。

採用サイトの改善

先にもお伝えした通り、自社がどの情報をどのように伝えるかがマッチングの精度を左右します。とくに、中途採用の場合は、自社が独自に配信する情報が頼りです。採用サイトで何をどこまで理解してもらい、そこで何を感じてもらえるかが鍵となります。

サイトを運営していると、分析に役立つページビューや応募の経緯をデータで集めることが可能です。現状のサイトで最終的なマッチング率がどれだけ確保できているのかを把握してください。そして、細分化した要素の分析結果をもとに、改善できる点を見つけ出して積極的にブラッシュアップしていきましょう。コンテンツを充実させることも大切ですが、マッチング率のアップこそ、常に視野に入れておきたいことなのです。

オウンドメディアやSNSでの情報発信

採用という括りを外した有益な情報配信によって、結果的に採用に良い影響を与えていくことも可能です。たとえば、オウンドメディアや自社のSNSアカウントの運用などがあります。転職潜在層にもアプローチできる効果のある方法です。

オウンドメディアは自由度の高さを最大限に活かして、採用活動で活用する媒体をうまく連携させて効率採用につなげることができます。また、SNSは拡散によって、幅広い人材の興味を引きやすいですし、その後のやり取りをするハードルも低いです。フォローをしてもらえれば、継続的なコミュニケーションが可能になります。いずれも、継続的な更新が不可欠ですが、常にターゲットを意識した内容を発信することがポイントです。

ミスマッチで起こる事態とは?

採用のミスマッチは、企業の判断の及ばない応募段階から生じるものです。選考中から入社後まで、ミスマッチがどのような事態を招くのかを見ていきましょう。

選考中や内定後に辞退する

給与やスキルなど、ある一部分が自分の希望と一致しているだけで、マッチ度を包括的に見極めることなく応募してくる求職者がいます。このケースは、候補者としてカウントすることはできません。

一方で、求人サイトや企業の採用サイトで入念な情報収集をした上で、自分に合っていると判断して応募してくる人もいます。それでも、やり取りや確認が進むうちに、考えていたものと違っていたというようなミスマッチが発覚することがあります。これが、面接辞退や内定辞退につながっていくのです。もしくは、自社が「違う」と判断を下すこともあるかもしれません。

いずれにしても、すでに選考によって落とした人材もいる段階ですから、後半になるほどミスマッチ発覚の痛手は大きいでしょう。

発信している情報の訴求ポイントが、ターゲットとずれている可能性が高いです。この事態を防ぐには、求人や企業情報の発信内容を見直す必要があります。

戦力にならない

ミスマッチに気づかないまま採用してしまうこともあります。優秀と思って採用した人材が、戦力にならないという事態を招くのです。これは、採用の失敗を意味します。このことを考えると、選考段階で企業、もしくは求職者が気づけることは双方にとって幸運なことなのかもしれません。

内定フォローにも一定の時間と労力をかけて、入社に漕ぎ着いているはずです。しかし、使えない…となるのは、組織全体に大きく影響してしまう可能性があります。

業務が停滞する可能性は高くなり、その不足を補うために負担を強いられる社員もいるはずです。それが過剰な負担や不満を招いて、優秀な人材の離職につながってしまうこともあります。不足を補うための新たな採用が必要になり、人的コストが嵩んでしまうこともあるでしょう。

早期退職する

せっかく採用に漕ぎ着けても、ミスマッチがあると早期退職の可能性が高くなります。能力を発揮できないことからやりがいを感じない、成果を出せていないのにプレッシャーだけが大きいということが発生しやすくなるからです。自分の強みが活かせる職場に転職したいと考えるのは、当然の流れでしょう。

離職となれば、新たに人材発掘に取り組まなければなりません。採用活動が降り出しに戻るのです。この繰り返しは、いつまで経っても組織力の強化につながらない状況を意味します。マッチングと定着には、密接な関わりがあるのです。

まとめ

ミスマッチは、企業に大きな不利益をもたらします。人材を確保することの前に、マッチングの度合いを測ることが重要です。

企業や求人情報について詳しくリアルに発信できる採用オウンドメディアを活用するのも有効です。ズレのない理解を促し、マッチング率を高める効果が見込める媒体だからです。

「欲しい人材が集まらない」「辞退の発生が多い」「早期離職の確率が高い」
このような問題を抱え企業におすすめの採用ツールです。

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