効果的な採用サイトのデザインとは?

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今や求人もインターネットで検索する時代になりました。採用サイトの目的は、エントリー数を増やすことではなく、エントリーした人の質を上げることにあります。採用サイトでは会社への興味や理解を深めるとともに、自社にマッチする人材からのエントリーを獲得する有効な手段となります。

企業が求める人材とユーザー(求職者)が求める企業をマッチさせるには、自社の採用サイトを分かりやすくデザインし、企業の情報を正しくユーザーに伝えることが必要となります。そのためには、ユーザーの興味引くサイトのデザイン制作が必須です。今回は記憶に残る採用サイトのデザイン制作について、気を付けておきたいポイントを解説していきます。

デザインを決める際に抑えておきたいポイント

ではここからは実際にサイトを制作するときに抑えておきたいポイントを一つずつ説明していきます。

インパクトを与えるファーストビューになっているか

まずはサイトのトップページです。ここで大事なことは、企業を適切に表現し、訪問者を惹きつける強いキャッチコピーがあることです。トップページはサイトの顔ともいうべき重要なファーストビューであり、ここで訪問者の心をつかむことができれば、企業の詳細まで閲覧してくれる可能性が上がります。

企業が求める人材に適した強いキャッチコピー(文言)を作るためには、採用する際のコンセプトを明確にしておく必要があります。コンセプトを明確にしておくと、そのあとに作成するサイト内の構成やデザインなどが見えてきやすく、統一感のあるサイトに仕上げることができます。

読みやすい配色になっているか

サイト内の配色も重要なポイントです。見づらい配色になっていては、せっかく良い内容を書いていても、読みにくいという理由で飛ばし読みをされ、企業の情報を正しく伝えることができません。興味を持って訪問してもらったのに、企業のアピールポイントを伝える機会を損なってしまってはもったいないですよね。まずは読み手を意識した配色を心がけましょう。

基本の文字色はグレーがおすすめです。なぜグレーがおすすめなのかというと、黒よりもコントラストが控えめ、目に優しいという理由が挙げられます。ですが、まずは文字色を黒にして、背景色を決めてから、最後に文字色を調整するという手もあります。

重要なのは「読みやすいこと」です。そのあとに企業の採用コンセプトに沿った文字配色を想像してみてください。企業のコンセプトにあった配色は決まれば、サイト内に統一感が出やすいでしょう。

情報を読み取りやすくなっているか

採用サイトには必要な情報が読み手に正しく伝わるかが重要なポイントです。数ある採用サイトの中から膨大な情報を受け取っている可能性が高い訪問者から、求める情報をシンプルに分かりやすく伝えることができることが理想です。

インパクトのあるデザインやレイアウトは重要な役割ではありますが、行間が詰まっていたり、文字がごちゃごちゃしていると閲覧していて疲れるサイトになってしまいます。ですので、読みやすさには行間や段落、カーニングにも注意を払う必要があります。文脈ごとに句点や改行をすることで、読みやすさだけでなく重要なキーワードに目が行くように調節することが可能です。

スマホを意識したデザイン選びになっているか

情報が読み取りやすくするには、読み手の環境を意識することも大事です。今やスマホを使ってすぐにサイトにアクセスすることができる時代ですので、スマホでも閲覧しやすいよう、webデザインにおいてはPC版とスマホ版のレスポンシブ化に対応していることが必須です。

またスマホは機種によって画面サイズが異なるので、タップしやすいボタンであるか、押しやすいボタンの並びや大きさになっているかは非常に重要なポイントとなります。

ターゲット(求職者)ごとに合わせたデザインになっているか

採用サイトを作るときに、コンセプトを明確にすることはもちろんですが、それらを誰に対して訴求するのか、ターゲットを意識して作ることも重要です。

求職者の働く目的と、企業が求める人材を適切にマッチすることができなければ、「思っていた職務と違った」などの理由で離職者を出してしまい、企業に人材を定着させることができません。お互いのミスマッチを防ぐには、企業が求める人材を明確にし、そのターゲットを意識したデザインにする必要があります。

最新のトレンドを取り入れたデザイン性の高い採用サイトのまとめ

日清食品

日清食品の採用サイト。疾走感のあるメッセージが印象的です。全体的に動きがありますが、赤と白でまとめられているためごちゃごちゃした感じはなく、すっきりとまとめられています。コンセプトもしっかりしていて伝わりやすいです。

リクルート

「KEEP YOU WEIRD.(変人であれ)」というキャッチコピーがさまざまなフォントで描かれるリクルートの採用サイト。イノベーション志向の企業らしいメッセージです。最近トレンドになっている淡いグラデーションカラーが、明るい未来を想像させてくれます。

バンダイ

おもちゃメーカーらしく、明るくポップなデザインになっているバンダイ。トップページは赤と青の印象的な配色にし、全体的にコラージュをあしらって動きのある仕上がりになっています。子供心を忘れない、ワクワク感のある採用サイトです。

大成建設

CMでもお馴染みのキャッチコピーである「地図に残る仕事。」トップページはモノクロにしてトーンを抑えている分、メッセージが強く残ります。サイトマップもシンプルな構成で分かりやすく、情報が取り込みやすくなっているのが特徴です。

楽天

社員をアニメーションマップ上に配置させた近未来的なデザインが印象的です。サイト内では楽天のロゴの色である赤を効果的に使用。社員を愛称で紹介しているところも、フラットな社風であることが伺えます。

講談社

「とんがり人間集まれ!」というユニークなキャッチフレーズ。キャラクターが全面に出ていてカラフルなサイトになっています。ゆるい雰囲気が自由な社風を望む方へ好まれそうですね。社員紹介のページも動きがあって楽しい感じになっています。

テレビ朝日

マスコミらしく、エンタメ性の高い仕上がりになっています。コンセプトは「おもちゃ箱」です。カラフルではありますが派手さはなく、見ていてワクワクするデザインに。コンセプトであるおもちゃ箱らしく、イラストをクリックすると各コンテンツへ移動します。

雪印メグミルク

企業商品を連想させる、白と水色の配色が素敵なサイトです。右上に表示されているエントリーボタンの形が、より企業らしさをアピール。フォントも柔らかいものを使用していて、全体的に可愛らしい仕上がりになっています。

エン・ジャパン

人材会社らしい、メッセージ性の高い採用サイト。左端にコンテンツが配置し、シンプルな色使いですっきりと見やすくなっているのが特徴です。空からの写真を多く使っていることで、グローバルを意識した企業であることが伺えます。代表メッセージはしっかりとした内容があり、読み応えあり。

アンファー

トップページから出てくるQ&Aコンテンツが新しいアンファーの採用サイトです。他社の採用サイトとは一線を画すデザインに。質問もカテゴリー分けされていて、就活生が本当に知りたいことを教えてくれています。

ライフネット生命

「変な経歴、大歓迎」のキャッチコピーが印象的なライフネット生命の採用サイトです。ユニークな採用コンテンツを取りそろえており、サイトトップのメイン部分で宣伝。コーポレートカラーは黄緑で、自社らしい統一感のあるデザインになっています。

sangetsu

アニメーションを効果的に使用した採用サイト。よく見るとトップページの観葉植物や猫の尻尾が動いていて可愛らしいです。インテリアメーカーらしく日常感のあるデザインとなり、メニューボタンが上部に配置されているところも分かりやすくなっています。

マイクロミル

青と白を基調とした、ベンチャー企業らしいスタイリッシュなデザイン。コンテンツもシンプルで、下にスクロールしていけば順番に見ることができるので、迷うことなく必要な情報が手に入ります。

ナイル

オーロラの背景が印象的なナイルの採用サイト。「100年後の世界に贈る。そんな会社を、創っていこう」のキャッチコピーも、壮大なスケールをイメージさせてくれます。創業ストーリーにはグラフとともに配色の工夫がなされていて、会社を創ってきた臨場感を感じることが可能です。

小野薬品工業

幾何学模様の隙間から働く人の姿が見えるかっこいいデザイン。色も数色程度でまとめられており、すっきりと見やすくなっています。メニューボタンが右上に固められており、分かりやすいもの好印象です。

シロキ

ゆるいフォントで書かれた会社名の後ろを颯爽と流れていくポジティブキーワード。ダジャレを含みつつ、見る人を飽きさせないように工夫されています。また、コンテンツごとに画像を変えてエンタメ性の高い採用サイトに仕上がっているの魅力です。

デザイン制作の流れ

実際にデザイン制作する場合の流れとポイントについて説明していきます。

ターゲットを決める

採用サイトをデザインする前に、まずはきちんとターゲットを明確にしておくことが大切です。ユーザー目線に立って、「その人に好まれるデザインとは何か?」を考える必要があります。例えば、「新卒で就活する女性」という抽象的なものよりは「私立大の3年生。卒業後はアパレル関係に携わりたいと思っている。趣味はカフェ巡りと読書。」このように具体的なペルソナを設定しておくと、ターゲットへの訴求力が高いデザインを制作することができます。

トップページ

ターゲットとデザインの方向性を固めたら、そこに企業のコンセプトを落とし込みましょう。トップページで求職者を惹きつける表現、どんな人材を求めているかが分かる強いメッセージを記載。そこからサイトマップと呼ばれる各下層ページへのリンクを配置します。

コンテンツの構成

サイトに掲載するコンテンツを決めます。「私たちについて」では企業理念や概要を紹介し、会社の目的を正しく伝えることが重要に。とくに、代表メッセージがあるとターゲットに向けた訴求力が高まりますのでぜひ掲載しておきたいです。その他「社員紹介」や「事業内容」など、企業がアピールしたいポイントを押さえたコンテンツ作りを行います。

写真やグラフィック

画像が粗かったりフリー素材のものを使うと臨場感が薄れますので、オリジナルかつクオリティの高いものを使用しましょう。撮影は制作会社経由でプロのカメラマンに依頼することをおすすめ。文字ばかりだと見ていて疲れてしまいますので、写真や動きのあるグラフがサイト内にあると楽しいページになります。このようにデザイン制作においてポイントを押さえておくと、求職者がエントリーまでつながる可能性はグッと上がるはずです。

「採用オウンドメディア×採用サイト」が生み出すシナジー効果

オウンドメディアとは、企業が自社で運営・所有するメディアのことです。企業が制作したコンテンツを通じて企業理念や想いを伝えることができるのがオウンドメディアの特徴で、これによりユーザーに対して企業への理解、共感を呼ぶことができます。

さらにオウンドメディアで公開した内容をSNSで配信するなど、ユーザーとのコミュニケーションを活発にすることで企業のファン作りを行い、売上の向上やさらなるブランディングを図るのも狙いです。

こうしたオウンドメディアを採用のプロモーションツールとして活用する企業が増えています。オウンドメディアと採用サイトを掛け合わせることで生まれるシナジー効果について考えてみましょう。

自社が求める人材と求職者とのマッチ度がより高くなる

実際に働く社員の人物像や職場環境が見えることで、社内の雰囲気やマインドを伝えることができます。ユーザー側も自分が実際に入社したあとを想像しやすく、より価値観の近い人材との接点を増やすのに効果的です。

潜在層にアプローチできる

求人サイトでは現時点で転職意欲がある人が主に閲覧するものです。一方オウンドメディアはその企業や職種に興味を持っている人に見られるため転職(就職)意向のある人以外にも目に留まりやすいです。

つまり、「現時点では転職または就職を考えてはいないものの、より魅力的な募集かあれば検討したい」などの潜在層にもアプローチすることができます。また更新性のあるコンテンツを作成することで、繰り返し訪問してもらうことができれば、ユーザーの接点ができやすく、エントリーにつながりやすいと言えるでしょう。


まとめ

今回は採用サイトにおけるデザインの重要性について解説いたしました。どんな人材を獲得したいのか、採用したいと思うターゲットに向けてしっかりと作り込むことが大事です。採用情報だけでなく、独自のコンテンツを取り入れて企業の魅力を伝えていけば、より企業との価値観に近い人材の確保に繋がっていきます。

制作までには労力やコストがかかりますが、優秀な人材を集めることができれば、結果的には採用コストを最小限に押さえることができるはずです。

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