採用サイトの制作ポイント・注意点【事例あり】

採用サイト /

採用サイト制作の重要性

採用サイトとは、企業の求人情報や求める人材、文化・風土などを網羅的に掲載したWebサイトです。一般的にはコーポレートサイトとは別で設置され、採用情報に特化して制作される場合が多いです。

現在、採用市場は求職者優位の売り手市場が長く続いています。そのため企業は、優秀な人材獲得をすることが課題となっている場合が多いです。

そこで採用サイトを活用することで、採用に適したコンテンツを制作することができ、 安定的に質が高い人材を獲得することが期待できます。

採用サイトをつくるメリット

求職者からの直接応募を獲得できる

採用サイトでは自社独自の求人フォームを作成・設置できるため、求職者からの直接応募を受け付けることが可能です。

直接応募の場合、求人サイトや人材会社を経由しないため、中間コストや出稿コストなどは0円で採用活動が可能です。また、自社の情報を意識的に調べ、応募した求職者の志望度は比較的高いと言えるでしょう。

自社で活用している採用管理ツールがあれば、求人ページのリンクを設置し直接応募を促したり、Googleフォームなどで簡易的な応募フォームを作成するなど、求職者の受け皿は様々な形で設置することが可能です。

採用に関わる細かな情報を掲載できる

求職者優位の採用市場が続いたこともあり、求職者は一定の良い条件を備えた企業を見つけることが容易になりました。

また近年では、給与などの雇用条件よりも、仕事のやりがいとなる「その会社で働く意義」「仕事を通じた自分らしさの実現」を重視する求職者も若い世代を中心に増えています。

そのような昨今では、入社する企業を選ぶ基準のひとつに「共感」というキーワードがあります。

事業の方向性や将来性はもちろん、文化や風土、理念やビジョンといった企業全体の方針の他に、働いている社員の様子やキャリアプランなど、「この会社に入社したい!」と思ってもらうことが大切です。

このような情報は、求人サイトや人材紹介の企業情報欄では伝えきれない場合が多いです。

自社運用の採用サイトだからこそ独自の細かな情報を、テキストだけでなくデザインや写真など、サイト全体を使って伝えることができます。

ミスマッチを防ぐ

採用において、企業・求職者ともに防ぎたいのは、入社前後のギャップによるミスマッチです。

「イメージしている働き方と違った」「イメージしていた業務内容と違った」など理由は様々ですが、入社以前に企業情報を適切に伝えることができていれば、こういったミスマッチも防ぎやすくなります。

採用サイトでは自社の理想像だけでなく、現実面をしっかりと伝えることができます。どれだけ優秀な人材でも、入社後活躍してもらえなければ採用の意味がありません。

活躍できる環境や業務があるのか、きちんとすり合わせができるような情報を採用サイト上に掲載できると安心です。

採用サイトへの入り口は様々

求人サイトの場合、求職者自身の就職意欲が顕在化している場合に検索します。求職者個人で情報を確認するのが普通で、あまりシェアされる機会はありません。

一方で採用サイトの場合は、様々なコンテンツがあるWebサイトなので、就職・転職の意欲がなくても、コンテンツ自体が面白いものや、みんなの興味を引きそうなものであれば、気軽にSNSなどでシェアされます。

署名欄や名刺に採用サイトのURLを書いておくことで、ふとした瞬間にアクセスしてくれる人もいるかもしれません。TwitterやFacebookでシェアしてもらうことができれば、多くの人に情報を届けられる可能性が高まります。

自社で運用するWebサイトやSNSからの流入だけではなく、一般ユーザーの拡散により、あらゆる場所に入り口を設置できる点は採用サイトの大きな強みです。求人サイトの情報よりも人材募集の要素が直接的に出ないため、社員のシェアも期待しやすいでしょう。

また、コンテンツでSEO対策するキーワードも幅広く設定できるため、様々な検索ワードで採用サイトへと流入してきます。

採用サイトを制作する際のポイント

ターゲットを明確にする

まずはターゲットを明確にしましょう。新卒なのか、中途なのか、もしくは両方なのかといった点の他に、ペルソナをつくっておくのがオススメです。

例えば主に新卒学生をターゲットにした場合、国公立の地方大学に通う理系の学生なのか、東京都内の私立文系に通う学生なのかによって、大分イメージが変わるのではないでしょうか。もちろん広くターゲット設定をしたいという場合もあるはずなので、その場合にはキャラクターイメージを定めておくことをオススメします。

「社交的」「明るい」「少しオタク気質」「ベンチャー気質」「起業家気質」「理詰めが好き」など、様々なイメージを設定することができますが、これによってサイトの構成や雰囲気が変わるため、採用サイト制作前にすり合わせをしておくことが重要です。

サイトコンセプトをきちんと決める

ターゲットが決まったら、サイトコンセプトを考えましょう。コンセプトとは、言い換えれば採用サイトのテーマのようなものです。

「とにかく共感性を大切にしたい」「まずはインパクトを残したい」など、企業によってニーズは様々あるでしょう。コンセプトを決めることで、この後に決めていくサイトデザインやトンマナの軸が定まるため、こちらも採用サイト制作前にすり合わせをしておくことが大切です。

掲載する情報を整理する

ターゲットやサイトコンセプトまで決定したら、掲載する情報を決めていきましょう。

この時、自社が知って欲しい情報を優先的に洗い出してしまいそうですが、まずはターゲットに設定した求職者が欲しい情報を洗い出すことが大切です。場合によってリサーチも必要になるでしょう。

ターゲットが知りたいという情報を発信した上で、先ほどのコンセプトや自社で持っている情報を組み合わせ、掲載する情報を決めていきます。この時どうしても掲載したい自社の情報が出てくるかもしれませんが、一度立ち止まって本当に採用サイトへの掲載が必要かを考えてみましょう。

採用サイトでなくても、選考が進んだ候補者へ直接口頭で伝えた方が良い情報もあるのではないでしょうか?その線引きをきちんと行い、掲載する情報を決めることが大切です。

伝わりやすいコンテンツをつくる

ターゲット、コンセプト、掲載したい情報が明確になったら、情報が伝わりやすいコンテンツをつくっていきましょう。

この時に大切なのは、コンテンツ内容が「自社が設定したターゲットに」「伝わりやすくアレンジされているか」という点です。一見簡単なようですが、第三者目線で見て本当に伝わりやすいかを考えることが大切です。

自社のコラムのような記事や社員インタビューは、場合によっては外部のプロライターに委託するのも良いでしょう。伝えたい情報が伝わらない限り、ここまでの議論が水の泡です。コスト面などの不安があるかもしれませんが、最終的に求職者へ魅力が伝わったり、応募を獲得したいという目的を忘れないようにすることが大切です。

社長のメッセージには工夫を

コーポレートサイトにも掲載されていることが多い社長メッセージを、敢えて採用サイトに掲載するのであれば求職者向けにアレンジしましょう。コーポレートサイトと同様のメッセージ掲載は非常にもったいないです。

社員の1日のスケジュールを掲載する

特に新卒学生からのニーズが高いのが、社員の1日のスケジュールです。新入社員を中心に実際の仕事内容をイメージしやすく、見たいと考える学生が多いようです。

しかし言い換えれば、自社の業務内容を発信するコンテンツが揃っていないということではないでしょうか。ニーズにそのまま応えるのではなく、潜在ニーズをしっかりくみ取り、コンテンツへ反映しましょう。

社員インタビューを掲載する

新卒・中途共に人気が高いコンテンツです。社員の働く上での価値観やこれまでのキャリアが見えやすく、「これなら自分も大丈夫かも」というひとつの安心材料になります。

共感性が高い社員を登場させるのか、憧れ要素が強い社員を登場させるのかによって採用サイトの雰囲気が大きく変わります。適した人材を選択できるようにしましょう。

コンセプトに即したデザイン設計を

ターゲットやコンセプト、そしてコンテンツ内容を踏まえたデザイン設計も大切です。どれだけ良いコンセプトやコンテンツができても、それらを視覚的に伝えるイメージがコンセプトに即していなければ、求職者は混乱してしまうかもしれません。

採用サイトは、自社の世界観を求職者へ伝えるツールです。だからこそ内容だけでなく、見た目にもしっかりこだわりましょう。

採用サイトのコンテンツ事例

座談会コンテンツ

社員インタビューに近しい事例ですが、社員同士の座談会コンテンツは多くの企業が採用しています。複数人が登場するため、個人の社員インタビューよりも会社イメージが具体的になることに加え、発言内容の信ぴょう性を高めることが可能です。

仕事内容が会社によって大きく異なるエンジニアなどの開発職や、プロジェクト型で部署を跨いだ業務が多い企業では、横のつながりを分かりやすく伝えることができるコンテンツです。

質問コンテンツ

説明会や面接の場でよく聞かれる質問は、事前に採用サイトに掲載しておくという手段もあります。採用サイトを見てもらうことで質問の回答があるため、人事の手間を減らすことができるというメリットのほかに、求職者が企業のイメージを具体化させやすいという側面もあります。

誰もが疑問に感じる質問を掲載することで、制度や働き方を間接的に伝えることができ、求職者の企業イメージ形成を行うことが可能です。

自社をキーワードで表現するコンテンツ

自社における特徴を、キーワードで表現するコンテンツはいかがでしょうか。数やキーワードを幾つか掲載することで、企業イメージを持ってもらうことが可能です。

また、自社のセールスポイント発信にも繋がります。印象に残るキーワードを掲載できれば、応募のきっかけに繋がる可能性もあるでしょう。

オフィスツアーコンテンツ

オフィスで仕事をする機会は減っているかもしれませんが、オフィスで働く日は胸が高まるような環境で働きたい人がほとんどではないでしょうか。オフィスツアーを動画や写真で作成し、コンテンツとして掲載するという手段があります。

社員の働きやすさへ直結するオフィスは、企業のスタンスが明確に分かれる環境です。こだわりが強い企業ほど、ひとつのセールスポイントとして求職者へ発信することをオススメします。

様々な企業の採用サイト事例

では、実際の採用サイトの事例を見ていきましょう。

アサツーDK

引用元:アサツーDK( https://www.adk.jp/recruit/ )

広告代理店として有名なADKでは、毎年こだわりを持った採用サイトが展開されています。年度ごとに採用活動にキャッチーなキーワードを付けることで、毎年変化を楽しむことが可能です。

端的にADKの情報を伝えるために「データ見るADK」というページを設置しています。キーワード×数字をポイントにしながら、ADKの特徴を分かりやすく伝えています。

「違いは、チカラだ。」というコンセプトに即し、様々な色合いを活用することで多様性を表現しています。ターゲットやコンセプトが明確な上、コンテンツが効果的に設置されている事例です。

面白法人カヤック

引用元:カヤック( https://www.kayac.com/recruit/fresh)

独自性が高い採用サイトや採用手法で、毎年採用市場を賑わせているカヤック。「カヤック」という社名を聞いたことがなくても、就活を行う中でふと覚えてしまうインパクトを持った採用サイト設計が得意な会社です。

社員インタビューは過去のキャリアや、就活時のエピソードを中心に掲載しており、様々な経歴を持つ社員がいることがタイトルだけでも十分に伝わってきます。またサイコロで給料が決まる「サイコロ給」や、漫画イラストを掲載した漫画名刺など、独自の精度をイラスト付きで細かく解説しており、候補者の興味・関心を途切れさせません。

S-GROOVE

引用元:S-GROOVE( https://www.s-groove.co.jp/freshers/#/ )

販売職をメインに展開するエス・グルーヴは、事業の特性を活かし、徹底的にこだわったビジュアルが特徴の採用サイトです。採用サイトだと言われなければ、洋服のブランドサイトだと勘違いしてしまうようなデザインは、入口からターゲットを限定しています。

また、キャリアパスを明確に明示し、将来性の安心度も記しています。誰もが安心して働ける環境を整えていることがWebサイトから分かります。

まとめ

採用に特化したWebサイトやオウンドメディアを制作する際のポイントを紹介いたしました。

自社で働く魅力を様々な視点やコンテンツで表現できるのが特徴ではありますが、求職者に何を伝えたいのか改めて整理する必要があります。

自社に魅力を感じてくれる求職者のニーズを分析し、効果的な採用サイト戦略を行っていきましょう。

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