企業がブログを運営する意味とは?ブログ運営に必要なノウハウ

企業ブログを運営している企業が増えています。みなさんも一度は企業の運営するブログを読んだ経験があるのではないでしょうか?

現在、インターネットでの情報検索が一般的になっています。企業の事業や商品を認知してもらうには、スマートフォンやパソコンからリーチできるブログの運営がとても有効なのです。

ただ、企業によるブログの運営は珍しいことではなく、多くの企業が運営を行なっています。ブログ運営を始めたとしても、ユーザーに読んでもらえなければ十分な成果を上げることができません。望むべき結果を得るためには、ブログ運営のノウハウを正しく理解する必要があります。

企業でブログを運用する目的

ブログの運用の方法は、それぞれの企業の目的によって異なるところです。しかし、「読者の興味を引く」という大きな目的は共通しているものだといえます。

では、ブログ運用の目的を細分化させていくと、どのようなものがあるのでしょうか。以下では、企業によるブログ運用の目的を、項目ごとにまとめています。ブログ運用を始める際に、どの目的に当てはまるのか、参考にしてみてください。

一般的な広報

企業の認知の向上や、ブランド力の強化を目的とした運用の仕方です。その業界内の知名度が高くても、世間的に広く認知されているということはありません。ブログを運営することで、世間一般にも広く知ってもらうことができます。

テレビコマーシャルや街中や電車内の広告など、その広告を見ると、その業界に関わる人でなければ知ることのできない企業を知ることが可能です。実際に「こんな企業があるのか」と、知らなかった企業を認知した経験があるかと思います。

企業の特徴や価値観、ミッションをブログに投稿することで、その業界に関わることのない人からも認知されるのがブログのメリットです。その結果、今まで繋がることのできなかった業界から声がかかるケースも。まさしく、インターネット上で「会社の顔」として看板の役割を担います。

商品の販売促進のためのコンテンツマーケティング

自社で提供している商品について詳細な情報を紹介をし、販売促進を目的とする運用の方法です。提供している商品の特徴や使い方、使い勝手の良さをブログ上で伝えていくことができます。

また、実際に自社商品を使っているお客さんの声を掲載することも可能です。インターネット上での口コミ効果は非常に高く、商品の販売促進に直結します。購入を迷っている商品の口コミを、インターネットで検索をした経験がある人も多いでしょう。

もうひとつ、販売促進目的のブログ運用で見逃せないポイントがコスト面です。自社WEBページ等を使用する場合に比べて、低いコストで運用することができます。

参考:集客に繋がるコンテンツマーケティングの要件とは?

オウンドメディアリクルーティングツールとして

自社の求人応募数を増やす目的としてのブログ運用方法です。会社での仕事風景や社風、仕事の一日の流れを掲載。そうすることで求職者の興味を誘い、応募者を増やすことが狙いです。

求人サイトは掲載できる情報に限りがあり、企業の魅力や強みを余すことなくアピールすることは困難。企業の運営するブログであれば制限はないため、魅力や強みを余すことなく掲載することができます。一般的な広報よりも、より具体的に会社の内部を伝えることができることも魅力のひとつです。

この目的でのブログの運営は、求職者に有益な会社の情報を伝えることができます。それによって、入社後のビジョンをより具体的に想像する手助けとなり、より優秀で即戦力となりうる人材の確保にもつながるのが特徴です。

メディアの一つとしてのブログの特徴は?

変更・更新が基本的に簡単

ブログの記事の公開までのプロセスは、記事の作成をして発信するだけ。この手順のシンプルさが他のメディアにない特徴のひとつです。手順や間に入る人が少ないため、ブログの内容の変更や更新を簡単に行うことがで可能。

ブログをメディアとして捉えたときに、比較対象となるホームページや広報誌などは、閲覧者や読者の目に触れるまでに時間がかかってしまいます。しかし、ブログは基本的に記事を書いてしまえばすぐに掲載できるのが魅力です。

このスピード感はブログならではのメリットといえるでしょう。また、変更や更新も頻繁に行うことができるので、目に触れる回数を増やし、既存の読者が離れていくことを防ぐことや、新しい読者の獲得につなげられます。

比較的気軽に読んでもらえる

ブログの記事は堅苦しい印象がなく、気軽に読んでもらえる傾向にあります。インターネットが普及したことで興味のあることや、わからないことはインターネット上で検索をして調べるということが一般的です。

また、スマートフォン、タブレットが普及していることもあって、通勤通学や移動中などにもインターネットから情報を得ることができるようになりました。気になったときに、その情報にすぐにアクセスすることができるのです。

ちょっとした隙間時間にスマートフォンを手にとるという人は多いかと思います。ブログはそんなときに読んでもらえる可能性を多分に持ち合わせているのです。

それぞれの読者に合わせた情報が発信できる

インターネットは、知りたい情報を検索することで、それに関するウェブページを閲覧するというものです。これはブログにももちろん当てはまります。どのような読者にブログを読んでもらいたいのかを明確に意識することによって、それを知りたい読者に届きやすくすることができるのです。

アパレル企業がブログを運営する場合を想定してみましょう。読者のターゲットを20代女性で、洋服の着こなしを知りたいという風に設定したならば、ターゲットとする読者にわかりやすく、かつ自社ブランドの洋服を例に出して、コーディネートの例を紹介することができます。

このターゲットがアパレル企業への転職を考えている人だった場合、ブログの記事は社内での仕事風景や、役職ごとの仕事の一日の流れのような記事にすべきです。

このように、その情報を知りたい読者に想定することで、それぞれの読者に合わせた情報を発信することができます。

SNSとの相性が良い

ブログはインターネット上での情報発信ツールです。そのため、同じインターネットを介するSNSとは非常に相性が良いといえます。ブログとSNSは連携して運用することができるのです。

ツイッターやフェイスブックなどのSNSにブログの更新情報を投稿したり、ブログにいいねや拡散を促すボタンを付けたりできます。ブログを読んでくれた読者がフォロワーに記事を拡散すれば、さらに多くの人の目に触れるチャンスです。ほかにも、ブログを通じてSNSページをフォローしてくれたりと、企業の認知度アップにも一役買ってくれます。

既に企業のSNSアカウントがある場合、ブログと連携をさせましょう。お互いの特性をうまく利用することで、相乗効果を得ることができます。

ブログ運営は中小企業に向いている?

ブログの運営は、どの企業においても有効な発信ツールです。ですが、誰もが知る大企業に比べて、会社や商品の知名度がそこまで高くない中小企業に特におすすめ。

その理由はオーガニック検索を通じ、会社や商品をまだ知らない客層である潜在層にアピールをすることができるからです。オーガニック層とは、インターネット検索結果において、広告部分を含まない部分のこと。

つまり、質の良い記事を書くことによって、企業や商品の知名度に関係なく、検索結果の上位に表示されるようになります。ブログは運用の仕方次第で、コストや手間をかけることなく広告宣伝効果を得ることができるのです。

中小企業は大企業に比べて、広告費にかけられる費用は少なくなってしまいます。ブログはその問題を解消し、企業や商品の知名度を上げることのできる広報手段です。

企業でのブログ開設・運用で注意しておきたい点

商品や社風に合ったはっきりしたコンセプト

ブログの運用において、まずは自社の商品や社風をしっかりと理解することが大切です。いろいろな人に読んでほしいという想いから、ブログのコンセプトや、どういった読者をターゲットにしているのかがわからない記事になってしまう、というのはよくある失敗例といえます。

自社商品や社風に合ったコンセプトをはっきりさせることで、ブログの記事に統一感が生まれるのです。この統一感が読者のターゲットを明確にし、継続的な読者の獲得につながります。商品や企業の世界観から、商品や企業のファンになってくれるという可能性が高いでしょう。

開設前にコンテンツ計画・更新カレンダーの作成

ブログを開設する前に、どういったコンテンツを発信していくのか、どのくらいの頻度でブログを更新していくのかを計画しましょう。明確な戦略を練って運用することはブログの成功の鍵です。

ブログの広報としての効果が現れるまでは、どうしても時間がかかってしまうもの。長いスパンの中で、コンテンツや更新カレンダーを設定しておかなければ、定期的な読者がつかず、ただいたずらに時間と労力を浪費するという事態にも陥りかねません。

コンテンツと更新頻度をあらかじめ決めておくことによって、計画的なファンの獲得を見込むことができます。もしも、思うような結果が得られない場合も、対策を練りやすくなるでしょう。

SEOに配慮した記事のKW選定

検索結果の上位にくるサイトや、よく表示されるページは、検索エンジンに優良だと判断されたものです。サイト内のキーワードによるところが大きく、よく検索されるキーワードを多く含んだサイトが上位に来る傾向にあります。

ブログを運用する上で、SEOに配慮したキーワードの選定は成功するか否かを大きく左右。ブログ更新の際はライバルとなる企業や、検索上位に表示されるサイトを参考に記事を作成するようにしましょう。

セキュリティ面の対策

ブログ運営において見落としがちなのが、セキュリティ面の対策です。自社のパソコンやホームページにおいては、セキュリティ対策をしっかりしている企業がほとんどかと思います。それらと同じように、ブログにおいてもセキュリティを万全にしておく必要があるのです。

ウイルスやハッキングなどで、運営しているブログが攻撃を受けたとします。そうすると、積み重ねてきた記事を失ったり、顧客からの信頼を低下させてしまったりすることも。

ブログはある程度の期間を費やして効果を発揮するものです。予期せぬトラブルで運用をストップさせてしまうと、せっかく組んだ計画や戦略に支障が出てしまいます。そういったトラブルから身を守る術を考えておきましょう。

企業ブログ開設の選択肢

一概に「ブログ」といっても様々な選択肢があり、それぞれメリットとデメリットを持っています。それぞれの特性を理解し、自社のブログ運用に役立ててください。

一般的なフリーブログ

(例)アメブロ、はてなブログ、livedoorBlog、noteなど

メリット: ほとんどノウハウがなくても、簡単に開設、運用をすることができます。また、無料で利用できるので、コストがかからないというのが大きなメリットです。

デメリット: 自由度が低いため、企業として活用できるシナリオが限られてしまいます。ほかにも、無料であるがゆえにブランディングがしにくい点、独立のドメインではないことから、SEOの面でも上位検索は狙いにくい傾向にあるという点がデメリットといえるでしょう。

ただ、社長日記のようなブログの内容次第では、必ずしも活用できないというわけではありません。

WordPress(テンプレート)

メリット: 無料ながら、カスタマイズが可能です。そのため、自社のブログのコンセプトに合わせたデザインにすることができます。アクセス解析もできるので、ターゲットにリーチするブログ運用計画を練ることができるのが特徴です。

デメリット: 既存のテンプレートを使用している場合は制限があり、一般的なフリーブログと同じような仕様になってしまいます。

WordPress(カスタム)

メリット: 基本的なメリットはテンプレートのWordpressと同じです。しかし、テンプレートよりもカスタムの方が自由度が高いので、自社のコンセプトに沿ったブログ運営が可能になります。

デメリット: カスタマイズをするにはある程度のノウハウが必要になります。また、作成代行のサービスもありますが、それには費用がかかるケースも。作成代行サービスの代表例は「採用サイト集めました」や「全研本社」が挙げられます。Wordpressの作成代行費用は比較的安価です。

完全オウンドメディア

メリット: ゼロからサイトを作るため、カスタマイズの可能性は無限に近いです。これによって、読者に提示したいコンセプトに、限りなく近いブログの運用をすることができます。

デメリット: 専門的な知識やノウハウがないと作れないため、作成を代行することに。その際のコストはWordpressの作成代行よりも高額になります。

まとめ

企業のブログ運用は、自社の広報やブランディングにおいて欠かすことのできないツールのひとつです。特に、商品や会社の知名度が比較的に高くない中小企業にとって、ブログをうまく運用することは、収益にも大きく関わってきます。

ご紹介したブログ運用の正しいノウハウは、効率的にブログのファンを増やす手助けとなるはずです。膨大な情報が存在するWebサイトの中から多くの人に読んでもらえる記事の作成は、ノウハウが必要不可欠。

自社の商品や社風を十分に理解して、コンセプトを明確を打ち出したブログの運用こそが商品や企業のブランディングとなります。インターネット上の広報ツールとして、ブログ運用をぜひ検討してみてください。

関連記事